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米カリフォルニア州ローレンス・リバモア国立研究所にある核融合関連施設(同研究所提供)
2019年12月25日付けブログ「エネルギー問題解消!「核融合発電」で、中国の核融合炉「中国還流器2号M(HL-2M)」が太陽核の中心温度の約13倍の2億度を達成する予定(当時)で2020年12月4日に稼働、その後初の放電に成功したようです。
それから2年後の先日、米ローレンス・リバモア国立研究所は、核融合を起こすために使用したレーザーエネルギーより大きなエネルギーを生み出す「核融合点火」に成功したと発表しました。
米エネルギー省は、飛躍的な進歩として、核融合点火の達成を「国防の進歩と環境に優しい電力の未来につながる大きな科学的突破口」だとたたえました。
核融合は太陽と同じ反応を地上で再現することから「地上の太陽」と呼ばれ、水素の仲間同士の原子核が融合する際に発生する大きなエネルギーを熱として発電などに有効利用します。
理論上は1グラムの燃料から石油8トン分のエネルギーをうみだし、脱炭素の切り札になると期待されてます。
今回、水素燃料の粒子をレーザーで照射する実験で、発生したエネルギーが投入量を上回る「純増」を初めて達成。
2.05メガジュールのエネルギーを供給し、1.5倍の3.15 メガジュールの出力が得られたそうです。
昨年夏時点では、得られたエネルギーは70%止まりだったので、米エネルギー省のグランホルム長官は「歴史に残る画期的な成果だ」と記者会見で強調しました。
しかし、次世代のエネルギー技術として2040年代以降の実用化が期待される核融合炉ですが、まだ基礎的な実験の成功にとどまり、商用化はなお遠いとのこと。
一時的な「点火」に成功しても、発電や熱利用には核融合反応を継続する必要があり、商用化には数十年かかるとみられていますが、核融合発電は着実に進展しているようです。
米エネルギー省の記者会見では、長官を含む5人が出席し、内4人が女性。
米エネルギー省長官は、核融合点火の達成を飛躍的な進歩として、「国防の進歩と環境に優しい電力の未来につながる大きな科学的突破口」だとたたえました。
2019年12月24日付けNewsweek日本版に掲載された建設中の中国核融合実験装置「HL-2M」です。
工事現場の足場に使うような鉄パイプが一見無造作に囲み、大掛かりなITERに較べて小ぶりに見えるこの核融合炉が摂氏2億度を達成するのかと思うと、かえって驚きです。(再掲)
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